2022年3月25日金曜日

新材料での機体製作

注文していた新しい紙が届き、さっそく機体を製作してみました。

WPHOです。PHOは富士フィルム製の紙であり、表面は平滑で印画紙の技術で伸縮の少ない紙質です。ただ、オリジナルのPHOはやや黄色味があり、ワタクシ的には出来上がり後の美しさという点で、チョットだけ抵抗がありました。そこで、白さにこだわったWPHOを購入した訳です。WHPOの厚みのバラエティは180kgが最大だったので、これをチョイス。


触った感じの紙質は同じ厚みのケンランと比較して、少しだけパリッと感が足りない感じ。完成後の強度・剛性に不安がありますが、80枚も買ってしまったので、使わないと。。。


ということで、さっそく夜なべを繰り返して急造しました。まだラッカーが完全に乾いていない。。。


流石に紙は白くて気持ちが良いです。カラーリング印刷の発色も綺麗。見た目は大満足です。
また、完成後の質量も従来の「AOZORAケント」と比較して2.5g程軽量化できました。


でも、尾翼端を指で弾いた感じでは、少し剛性不足のよう(ケンラン180kgで製作した機体よりも剛性が低い)。発航時のヨーの風圧に耐えられるか不安です。

とにかく飛ばして確認してみないと。。。

外で飛ばす紙飛行機は、いつも湿度や朝露との闘い。その点PHOはケンランに比較して伸縮が少ないので、期待しています。その観点では、製造中止になった「AOZORAケント」は最適な紙だったなぁ。



2022年3月20日日曜日

フライト記録会

先週金曜日の大雨の影響で、田んぼは水浸し、飛ばすことすらできませんでした。

本日の段階でも、田んぼは沼地状態。それでも皆さん集まってきたので記録会を強行しました。

1ラウンド目。風速は1~2m/s。

もう、皆さん飛ばすどころじゃない。機体はビショビショ地獄とドロドロ地獄で掃除しながらのフライト。おまけに田んぼの着地点にたどり着くまでに、沼地で溺れそう。

2ラウンド目。風速は2m/s。

少しだけ足元の状態は良くなった気がします。今日は全般的にサーマルが少なかったように感じます。そんな中、I山さんはしっかり1機視界没。素晴らしい性能です。

4月からは全国で予選が始まります。なんとかそれまでに「飛ぶ」機体を整備しないと。。

2022年3月13日日曜日

フライト記録会

 本日の記録会結果です。

本日は朝から風がありました。でも時間が経つにつれて風が弱くなる予報です。今日のキーワードは「めぐみ」。

1ラウンド目。風速は2~3m/s。

サーマルらしきものはほとんどなく、淡々と飛ばしました。だだ風があったので、機体はそれなりに流されて行きます。歩数を稼いだラウンドでした。
そんな条件でも確実にスコアを稼ぐI山さんはスゴイ!返りも正確で、「めぐまれない」条件の中でもスマートなグライドをしていました。


2ラウンド目。風速は1~2m/s。少し風が弱くなってきました。

最初の1投目、2投目のあたりは1ラウンド目の気象条件を引きずっており、「めぐまれない」条件でした。3回目あたりからたまにホワッとした空気が現れ始め、そこに入った機体は気持ちよさそうに小刻みなバンクをしつつ、タイムが伸び始めました。そんな中、ワタクシの4投目、急に空気は大人しくなり、ズブズブと沈んでしまいました。全くワタクシだけ「めぐまれ」ません。
そして、5投目。ついに空の神様は「めぐみ」の空気を与えてくださいました。みんな等しく「めぐみ」を受け、MAXが連続。K明さんは2回もMAXとなり、「めぐまれて」いました。
良い条件はそれほど長くは続かず、I山さんとK明さんは「めぐまれない」条件でフライト。ワタクシの順番になった時、少しモワッとした雰囲気が発生して、ワタクシだけ「めぐまれた」環境でMAX。その後もワタクシに「めぐみ」が訪れ、9投目では「めぐみ」の神様がワタクシの大切な機体を天に召しました。

かなり無理のある描写でした。スミマセン。

2022年3月12日土曜日

デサマ動作

紙飛行機用の着脱式デサマライザー。

風が強い時の練習には最適なのですが、実は今まで本来の目的であるサーマルからの離脱を目的として使用したことがほとんどありません。強風時の練習ではタイマーをせいぜい10~20秒程度に設定する程度。錘投下動作に失敗しても機体を回収に行く時間が伸びるだけ。

本日は風は弱いのですが、サーマルが出てきました。まだ時間も早いので、まだ飛ばしたい気持ちと、一方で機体無くしたくない気持ちから、デサマを本来の目的のために装着しました。

タイマーを1分程度に設定して、「トリャー!」

予定通り、サーマルにヒット。それも結構強力なサーマルです。頭上でどんどん高度を上げ、どんどん小さくなっていきます。

見えなくなる前にデサマは動作するかな?(ちょっと不安)

約1分後、機体がガクッとピッチングしたのを確認できました。錘投下が上手くいったようです。その後20秒くらいかけて無事に降下してきました。


下の動画はデサマ動作をスローで撮影したものです。

ロータリダンパにつながるゴムワイヤが外れてから、錘が投下されるまで少しタイムラグがあります。この時に錘が引っかかっちゃうことがあるんですよね。



フライト記録会

本日の記録会結果です。

本日は朝から気温が高く、日が昇るにつれてポカポカ陽気になる予報です。なので、早めにスタート。

1ラウンド目。風速は0~1m/s。


ドンドンポカポカになるので、ドンドンサーマルが出そうな予感がしていたのですが、意外とサーマルらしいものに出会うことはありませんでした。逆にずっと「吸われる」環境で、ズブズブと沈んでしまいます。

2ラウンド目。風速は0~1m/s。どんどんポカポカ。


やっぱり、あまりサーマルは出ません。こんな気象条件も珍しいかも。

記録会終了後、9時半以降からだんだんとサーマルが出始めました。一度出始めると、ポコポコ連続して発生するようです。ロストが怖いので、デサマを付けてしばらく遊んでいましたが、I山さんはお空に持っていかれました。





2022年3月6日日曜日

フライト記録会

 本日の記録会結果です。

今日は、T田さんを加えて総勢5名。少しずつにぎやかになってきました。今日は強風になる予報だったので、早めにスタート。でも、風の方も早めに強くなってきました。


フライト1回目(本日は1回のみ)。風速は初め2m/s程度でしたが、直ぐに3m/s程度に強くなり、中盤から後半は飛ばすのをためらってしまうほど。瞬間風速では5m/s以上あったんじゃないかな?


強風の中でも上昇からの返りが比較的スムーズに決まっていたK明さんが一番。I山さんは黙々と発進と回収を繰り返していました。遠くまで飛んで行ってしまうので、回収して戻ってくるとすぐに順番が回ってくる感じ。

ワタクシは強風に対応した発進ができず、テンプラになったり、強いバレルロールで高度が出ませんでした。強風時の発進方法が課題です。


2022年3月5日土曜日

フライト記録会

 本日の記録会結果です。

本日は「春一番」が吹く予報だったので、南風になるまでが遊び時間。朝からすでに気温は高めです。

フライト1回目。風速は1~2m/s。9投目ぐらいから南風に変わってきました。

K明さんはSALランチの跳ね上がりから着地のあたりで足(腰)の調整が良くないらしく、かばいながらのフライトでした。6投目、7投目あたりが特に辛そうでした。その割には高々度ランチは変わらない。

ワタクシは二宮杯予選用に作った比較的新しい機体で参戦しましたが、4投目の状況を見て、「これはまたロストしそう。。」という予感があり、本番用機体を守るために予備機相当の機体(予備機2番機)をケースから出して選手交代。その2投目(6投目)にやはりやってしまいました。サーマルに乗って気持ちよくグライドしつつ、そのまま視界没。機体を交換してよかった。7投目以降は昨年夏に作ったひまわり機体(予備機3番機)。ちょっと古い設計ですが、それでも1投目からMAX。春のサーマルはすごいですね。

I山さんは何度かリリースに失敗して悲鳴を上げるも、その割にはリカバリフライトが素晴らしく、とても素晴らしい機体でした。


2ラウンド目。


ワタクシは用事があったので失礼しましたが、お二方は2ラウンド目に突入。やはり途中から4~5m/sの強風になったようです。ただ、辛うじてロストは無かったようです。

K明さんは胴体が折れたそうですが、6投目かな?



2022年3月2日水曜日

予選シーズンの準備を始めます

第26回全日本紙飛行機選手権(二宮杯)決勝は中止になりましたが、第27回の予選シーズンがもうすぐ始まります。目標を設定できず、なかなか製作意欲が湧かないところであったのですが、少し気分を変えて季節ものカラーリングの機体を製作してみました。さくらカラーリングです。


季節ものカラーリングは、あまり性能が良かったというイメージがないのですが、マンネリ化したカラーリングに対するスパイスになります。

春は「さくら」、夏は「ひまわり」「ハイビスカス」、秋は「もみじ」。
ただ、最適な季節が過ぎると途端に愛着が無くなってしまいます。


なので、早めに製作して花が満開になるまでに、いっぱい飛ばして楽しみます。

でも、たいがい、花が満開になるまでに大破してしまうんです。さて、この機体の運命は?





2022年3月1日火曜日

空気密度と滞空時間の関係(2)

 少し時間がかかりましたが、滑空記録を整理して空気密度との関係をプロットしてみました。

プロットの重なりが多いのでそれほど多く見えないですが、翼幅360mmの機体で1000回以上のフライト、翼幅460mmの機体で500回以上のフライトデータをプロットしたものです。結構頑張って記録して貯め込んだデータです。最近実施している記録会データも含まれています。

翼幅360mmの機体データで真ん中あたりが抜けているのは、秋頃は殆ど飛ばしていなかったためです。その代わりに翼幅460mmの機体を一生懸命飛ばしていました。

全体を俯瞰してみると、やはり空気密度が高い方が滑空時間は長くなるようです。本当はこのうち一部は機体の性能向上とか発航技術の向上などの影響が入っていると良いのですが。。。

これを調査するためには1年間データ収集を続けないとダメですね。



さて、ココで2つの疑問が出てきました。
(1) 460mm機体と360mm機体の近似式傾きは意味があるものか?
(2) 空気密度が滑空時間に影響を与えるメカニズムは?

このうち、(1)についてはすぐに答えが見つからなそうなので、ちょっと放っておいて、(2)の疑問について考えてみたいと思います。

空気密度ρが飛行特性に影響を与えそうな式を整理します。

揚力L=1/2*ρ*V^2*S*Cl
抗力D=1/2*ρ*V^2*S*Cd
滑空比=L/D=Cl/Cd
レイノルズ数Re=ρ*V*L/μ

ココで、
V:滑空速度
S:代表面積(主翼面積)
L:代表寸法(主翼平均翼弦長)
Cl:揚力係数
Cd:抗力係数
μ:空気の粘性係数

揚力と抗力は空気密度の関数ですが、両方とも同じ次元で影響します。滑空比は揚力係数と抗力係数の比なので、空気密度には影響しないようです。
レイノルズ数は翼まわりの空気の流れの特性を表しますが、空気密度の変化は1年間の最大変化で10%強程度であり、レイノルズ数が10%変わった程度ではそれほど主翼の揚力特性が変わるとは思えません。

そう考えると、空気密度が滑空時間にこれほどの影響を与えるとは思えなくなります。一方で、レイノルズ数には空気の粘性係数が関与しています。粘性係数は温度に依存して変化します。

μ=1.4592e-6*T^(3/2)/(109.10+T)

ココで、
μ:粘性係数[Pa・s]
T:絶対温度[K]

空気の粘性係数をグラフ化して感覚的に掴んでみます。

上に凸な曲線で、液体とは異なり空気は気温が高いほど粘性係数も高くなります。感覚的には不思議な感じもしますが、気体では分子間の衝突で粘性が発生するということで、温度が上がると分子運動が活発になるので粘性も増すようです。


実際に遭遇する環境(紙飛行機を飛ばすときの気温)の範囲を拡大します。
この温度範囲では約13%程度の変化があります。

ココでちょっと整理すると、以下の2点が明らかになりました。
(1) 気温が上がると空気密度は低下する
(2) 気温が上がると粘性係数は増大する

空気密度と粘性係数は気温に対して、逆の特性を見せています。
粘性係数と空気密度の比として動粘性係数という表現があります。

動粘性係数v=μ/ρ

粘性係数と動粘性係数の違いって何でしょうか?
ネットで調べてみると、感覚的な表現として、粘性係数は流体に働く粘性力の強さを表しているため、隣の流体への「力」の伝わりやすさを表しています。一方、動粘性係数は隣の流体への「速度」の伝わりやすさを表しています。つまり動粘性係数が大きい流れは、翼のすぐ表面の流れの速度がチョットだけ離れた層の流れにも伝わりやすいということ。
ということは、気温が高くなると、空気密度が小さくなり、結果として力も速度も拡散しやすい(次の流体層に伝わりやすい)状況の中、紙飛行機は飛ぶことになります。。

動粘性係数をグラフ化して感覚的に掴んでみます。


動粘性係数を使うとレイノルズ数は次のように表されます。

レイノルズ数Re=ρ*V*L/μ=V*L/v

この式によると、気温が上がると動粘性係数が大きくなった結果、レイノルズ数は小さくなります。


ワタクシの360mm機体を想定して、数値を以下のように与えた時のレイノルズ数の変化をグラフで表してみます。
滑空速度V=7[m/s]
平均翼弦長L=0.059[m]


レイノルズ数は気温によって比較的大きく変化するようですね。
感覚的には、気温が低い(空気密度が高い)方が、ゆっくり飛行するように感じるので、レイノルズ数の変化はもう少し緩和されるかもしれませんが。

粘性の高い低レイノルズ数の領域で飛ばなくてはならない紙飛行機にとっては、温度が低い方がレイノルズ数が高くなるので、都合の良い環境になるということですね。

さて、ココまでの考察で分かってきたことを改めて整理します。
以下は、気圧をほぼ一定とした場合です。
(1) 空気密度は気温に強く相関があり、気温が高くなると空気密度は低下する。
(2) 気温が高くなると粘性係数は増大する。
(3) 上記特徴により、気温が高くなると動粘性係数は増大する。
(4) 動粘性係数の特徴により、気温が高くなるとレイノルズ数が小さくなる。
(5) レイノルズ数が示す通り、気温が高くなると紙飛行機にとって飛びにくい環境になる。

如何でしょうか?
幾つか仮定が入っているのでちょっと心配ですが、定性的には紙飛行機の滑空環境の特性を説明できていると思います。。。

さらに突き詰めるのであれば、揚力係数、抗力係数も変化するような気がするのですが、流石に風洞実験装置がないと分からない。。。

とりあえず、このコーナーは以上、ということで。
お付き合いありがとうございました。