2024年3月17日日曜日

フライト記録会

一日遅れてしまいましたが、昨日のフライト記録です。

今日はI山さんと2人のみ。

1ラウンド目

I山さんのグライド性能に全く歯が立ちませんでした。ちょっとしたサーマルがあると、必ず掴む性能、いつもながら驚いてしまいます。対してワタクシの方は第一旋回で大きく高度を落としてしまう状況。揚力が殆ど出ていないかのようなグライドでした。

2ラウンド目

2ラウンド目でも同じ傾向でしたが、I山さんの8投目で視界没。9,10投目は箱出し一発目のフライトだったので、調整が不十分であった結果です。

風も南風に変わってサーマル気配がプンプンしていたのですが、なぜか下降気流が多かった。


今日は完敗。ちょっと機体の点検をしてみよう。


2024年3月16日土曜日

エアインテーク

主翼への小細工の続きです。

主翼前部の閉空間の空気を前後2段に配置したピンホールから出し入れして、吸い出した空気を主翼上面でかき回すことで剥離を抑えるという仮説が正しいとすると、主翼前部の空間にしっかりと空気が補充できるようにしておきたくなります。

そこで、積極的なエアインテークを工夫してみました。

【前縁配置のピンホール型】


翼内機銃口のような恰好ですが、片翼5つずつ付けています。主翼前縁はいわゆるよどみ点になるので、もっとも静圧が高くなるため、ココに配置してみました。

本日、チョコっと試してみたんですが、静気流時、滑空は少し伸びるようになった気がしました。一方、サーマルが発生するような条件のなかで、下降気流の条件に遭遇した場合、なんの効果も感じられず、スルスル降りてきてしまいました。サーマルにも乗りにくい感じがしました。(主観的で、分析できていませんが。)


【エアダクト型】


あまりにも浮きが良くなかったので、前縁にピンホールを幾つも開けたことが原因で、そもそも翼前縁から剥離して、揚力が出ていないんじゃないかなと想像しました。

そんな訳で、必要な穴面積は確保しながら、もともとあまり揚力が期待できない翼根部にダクト型のエアインテークを付けてみました。

これはまだ試験飛行していませんが、可能性があれば、もう少し形状を考えてみたいと思います。


2024年3月9日土曜日

主翼への小細工

 昨年末に構想、今年に入ってから実験を重ねてきました。主翼への小細工です。

狙いは、低速域(低レイノルズ数)での主翼上面の空気の剥離低減です。今回の小細工は、下図に示すような前縁上面部分へのピンホール配列です。いつも一緒に飛ばしているメンバからは、「ディンプル」と言ってくれていますが、穴なのでちょっと違うんですけどね。良いネーミング募集中。


今までも似たような小細工をトライしてきました。
例えば、下の画像のように主翼上面に斜めに棒上のチャンネル材を規則的に配置したタービュレータ。


また、別の手段として、下の画像のように三角フィンを主翼前縁部に一列追加したボルテックスジェネレータ。

いずれも、主翼上面に縦渦上の気流を作って、剥離を抑制しようとしたもの。実際とばしてみて、少し効果がある(滑空に伸びが出る)ように感じたものの、高速上昇時の空気抵抗が無視できず、到達高度は相対的に低くなってしまいましたので、お蔵入りになったアイデアです。

そもそも、紙飛行機のような低レイノルズ数域で飛ぶ機体には、実機のようなはっきりした縦渦発生は期待できないので、おまじない的な細工なのですが、同時に抵抗も増えてしまい、紙飛行機に適した方法がないものか、妄想していました。


今回、仮説と共に妄想した結果生み出した小細工が、主翼前縁付近に施したピンホール配列。


なんで、ピンホール配列で効果があるか?
ワタクシの紙飛行機主翼内部にはスパー(内部桁)の前方に閉じられた空間があります。
その空間の空気を前後2段に配置したピンホールから出し入れして、吸い出した空気を主翼上面でかき回すことで剥離を抑えるというタービュレータです。
全くの仮説です。いまだに検証はできていませんが、もうちょっと具体的に妄想と共に説明します。

【仮説】
ベルヌーイの定理より静圧と動圧の和は一定。
p(静圧)+ 1/2*ρ*v^2(動圧) = Const.
主翼の上部表面の内側(閉空間)は速度ゼロ。上部表面の外側は滑空速度よりも少し早い気流があります。この気流があるために、上部表面の外側の静圧は下がります。
その表面に穴をあけると。。。空気は主翼内部空間から主翼外側に吸い出されます。
ただし、主翼内部の空間は小さいために、どこからか吸い出された空気と同じ量の空気を入れる必要があります。
そのために主翼前縁付近に2段のピンホール列を配置しています。2列目のピンホールは主翼のハイポイント付近に配置(もっとも速度が上がる位置)しており、1列目のピンホール列は
2列目の前に配置(相対的に速度が小さい位置)しているため、1列目から主翼内部に空気が吸い込まれて、2列目から空気が吸い出されるという仮説です。
もちろん、空気の動きは微々たる量であり、2列目から主翼内部の空気が「しみ出してくる」ようなイメージです。
ただ、このしみ出した空気が、もともと主翼上面を流れていた空気とぶつかることで小さな縦渦がピンホール穴の近傍に発生するという仮説です。

【効果の実験結果】
(1)片翼だけの効果確認
主翼両側にピンホールを開けて、片側だけ紙テープで閉じると、閉じた側にバンクが発生し、旋回半径が少し小さくなる傾向を確認できたことで、ピンホール列は主翼上面の空気の流れに影響を及ぼしていることを確認しました。

(2)穴塞ぎ機体と穴開き機体の滑空時間比較
出来るだけ同じ時間帯で比較して環境条件を合わせながら実施したために、データを集めるのに結構期間がかかりました。

結果

その差は1.6秒。約3.5%の滑空性能向上。
これを確かな効果と判断するか、バラつきの範囲と評価するか、ビミョーなところですね。
もともと、主翼の性能が10%も向上する魔法のような手段はないので、ワタクシ的には3.5%の性能向上は、確かな効果であると思います。

(3)40秒を超えるフライト比率
飛ばしていると、何度かサーマルでMAXが出るのですが、サーマルの影響が入ってしまうと評価誤差が大きくなってしまうのではないかという懸念がありました。
ですので、単なる平均値じゃなくて、分布を評価してみました。
今回は簡単に40秒を超えるフライトがそれぞれ何%あるかという分布を評価しました。
つまり、40秒以上飛ばせる確率の比較です。

結果

これは、はっきりとした差が出たと思います。

もう少し、知見を増やす必要はありそうですが、結構有効な小細工を発見したような気がします。