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2025年8月17日日曜日

決勝向け機体

 すっかりブログ更新が滞っていました。久しぶりにこのブログを開いてみたら、長浜ドームでの飛行会で得られた知見や気づき事項を書き留めておくことも忘れていたようです。(自分のメモにはしっかり残っているんですけど)


長浜ドームでの経験を踏まえて、やっと全日本紙飛行機選手権大会(二宮杯)決勝で飛ばす機体を確定させて、製作に入りました。間に合うかな?




長浜ドームでどのような知見を得たか、簡単にまとめると、以下の2点に集約されます。
  • 他のパイロットたちのグライドと比較して沈下率が大きい。
  • 軽量化のために機首を長くした機体は獲得高度が若干下がり、返り動作が緩慢になった。

特に沈下率については、ドームではどうしようもない(ラッキーハプニングは発生しない)ということで、大きな課題として認識しました。

そのような知見から、ドーム用機体は次のような方針でトライアンドエラーを開始しました。
  • 軽量化は返り動作が緩慢にならない範囲とする。⇒機首延長は過去実績範囲内
  • 抵抗は増やさずに揚力を増す。⇒主翼上反角を浅くする

主翼上反角を浅くすることで滑空抵抗を増やすことなく見做し揚力を上げることを狙います。翼幅制限があるので、投影面積は変わりませんが、下面側の流れにおいて空気が翼端側に流れる(逃げていく)成分を抑えていきます。



ただし、大きな壁というか、闇があります。それは、屋外フライトでは屋内性能を確認できないということです。
もともと、上反角は屋外フライトでの安定性やリカバリ性能を重視して決めてきているので、上反角を浅くすると屋外では途端に「溺れる」ような滑空になってしまいます。屋内環境に近い条件で確認ができるのは、日の出直前の完全無風状態のときのみです。そんな好条件はこの季節ほとんどありません。空気が動いている条件下では全く良くわからず、圧倒的に屋外用機体の方が滑空性能が良いのです。

それでも、練習や確認は屋外でしかできないので、少しずつ上反角を深く(0.5~1°刻み)しながら屋外用機体と比較しながら風速1m/s以下の時に特性を確認しました。また、低上反角機体が見せる「溺れる」ような挙動を改善するために、Tail Boomを短くすることでロール/ピッチのバランス効果も併せて確認していきました。
上反角バリエーションは4ケース、Boom長さは3ケース。
(組み合わせが多くなって、ホントに苦しく、迷子になりそう。。。)

そしてやっと、風速1~2m/sの範囲では屋外機とそれほど性能が変わらないドーム用機体の諸元を見つけました(決めつけました)。Tail Boomを短くしたことで、機体質量も約1割減となりました。


完成したのはまだ1機。あまり時間もないので、主翼のみを新造した改修機も併せて数をそろえることになりそうです。

がんばれ! 自分。

(でも、おおきな勘違いをしていたらどうしよう。。。 近所に大きなドームがあればなぁ。)
















2025年4月5日土曜日

ドーム飛行会準備

明日は長浜ドーム。初めてのドームフライトです。

シコシコ準備をしています。とにかく初めてなので、軽量化の効果とか、最適と思われる重心位置の違いとか、いろいろ確認してみたいことがあります。準備しているのは、軽量機体です。といっても機首長さを30mmから55mmに延長しただけですが、全機総重量で5グラム以上軽くなりました。



屋外フライトとドームフライトとで、主翼と尾翼は変えずにBodyだけ交換するというコンセプトではあるのですが、そんなに上手くいくかどうか?

ノーズが長くなった分、機首側面積がかなり大きくなりました。(最初からわかっていたことではありますが)。回頭性能がかなり低下しそう。 


【屋外用Body】


【ドーム用Body】


無風な屋外で何度か試験飛行してみたのですが、はやり滑空は遅くなって沈下率も向上するような感じがします。重量の平方根で効くようなので、2秒程度の向上かな?

一方で、投げ上げ時の到達高度が低くなってしまいました。慣性力が小さくなったので、抵抗による速度低下が大きいですね。投げ出し時の運動エネルギーに対するロスエネルギーが質量変化の平方根で増えるとしたら、結局トータルでのタイムは変わらなそうな気がしてきました。

でも本当なのかどうか、試してみたいですねぇ。ワクワクしています。

さらに、ノーズが長くなったことによる回頭性の低下が気になります。ドームでは乱れた気流の中を飛行するわけではないので、滑空中の回頭性能低下はあまり問題にならないかもしれませんが、懸念は「返り」性能です。 スムーズに滑空姿勢に入れるか?というところです。

今まで、 回頭性能を重視して機首を短くしてきた経緯もあり、真逆な方針転換に戸惑いが強いです。 見た目はともかく、もう少し側面積は減らせるので、改善余地はありますが、まずはこのBodyでどのように特性が変わるのか、確認してみるのが楽しみです!

さぁ、持ち物準備!


2025年1月3日金曜日

新型機開発(4)

まだ、ブログ作成は追いついていません。この投稿も昨年のネタです。(昨年のやり残しの消化はモチベーションがイマイチ。。。)

【量産初号機】

思いつく主要な試作確認は出来たので、そろそろ図面 FIX に入ります。 まだ追加確認したい部分は山ほどありますが、 機体の主要諸元は見えてきたので、後は量産しながらマイナーチェンジを重ねていきます。

ところで、 「量産」とは何?

基本手作業でコツコツ製作していくので 「量産」 といっても個別生産と何も変わらないのですが、一部の部品はまとめ印刷、まとめ製作が出来るので、すきま時間で前倒しで準備しておけることがメリットであり、ワタクシの「量産」の定義です。

といってもワタクシの場合、 どんなに頑張っても2機/1か月のペースなので、たかが知れています。 従って今から量産に入らないとシーズン開始までに5機揃わないのです。 その途中の練習でロストしたらもう大変!




ZEROです。



V尾翼の部分はあらかじめスタブチルトを付けておくのですが、治具で角度設定することにしました。


正面から見ると、こんな感じの角度です。10°設定なのですが、ちょっと大きすぎるので、接着剤が完全硬化する前に、少し手作業で戻します。この治具も作りかえないと。。。


ウェポンベイならぬ、バラストベイも少し改良し、錘の投下がスムーズになるようにしました。



主翼前縁はこんな感じ。

スーパー前もっこり、そして前縁は翼弦の2%に相当するR1.5の丸みを付けました。Φ3の竹ひご(料理用のクシ)を型にしてRを付けたのですが、結構面倒くさかったです。



全体組立した結果のV尾翼のチルトはこんな感じ。ラダーは殆ど切っていません。




そして、期待を胸にフィールドで初期調整。

年末の飛ばし納めはこの機体。




そして、飛ばしてみた結果。。。



飛びました。滑空しました。でも。。。

なぜか上昇しにくい。全力発航してもちょうどよいループが得られない。滑空速度も心なしか、少し早い感じがします。


おかしいなぁ。抜群の上昇性能が出る翼型なんだけどなぁ。妄想の中ではふんわりふわふわ滑空のはずなんだけどなぁ。

ちょっと、しょんぼり。。。


2024年の飛ばし納めはこんなもんか。。。と片付け始める前にちょっと主翼の取り付け角度を確認してみました。(下の画像は、帰宅後に改めて確認した結果。背景は気にしないでね。)


Bodyの下面、Boomのラインと比較して著しく前縁が下がっているように見えます。左翼も右翼も同じように下がっています。これでは適切な迎角が得られない。
主翼だけで見てみると、かなりマイナス迎角になっています。

なぜだろう?

主翼取り付け部の図面は変えていないのに。。。

うーんと考えた結果、チョンボに気が付きました。

翼型を変えた際、下面のふくらみを抑えたのですが、その結果として翼自身が前かがみになりました。それに気づかずに従来のインタフェースで接着したことで、主翼前縁が下がってしまったことが原因であることに気が付きました。

設計チョンボだっ!


主翼取り付け部をアセトンで溶かして、インタフェース部の交換取り付けを考えましたが、ちょっと面倒くさかったので、対処療法としてガスレンジであぶりつつ、主翼をねじり上げて平行に矯正しました。これでだめなら、インタフェース部の取り換えか、主翼の作り直しだ。。。


年末作業はここでおしまい。

年明け後に矯正後のグライド確認をします。(うーん、早く試したい!)


こんな感じで、まだまだ量産機というにはほど遠い状況。量産を宣言するのが早かったかな?


ところで、機体格納ケースですが、全く進んでいません。 コンテナケースを購入しただけ。 その中のレイアウトも決まっていないし、 各種ホルダ形状も決まっていない。 頭のなかのイメージにあるだけ。 憂鬱だなぁ。。。

従来ケースには収まらないので、持ち運びはとても不便です。 シーズンが始まる前までには何とかしないと。。。

ということで、正月は機体ホルダをシコシコ作り出しました。

モチベーションが。。。






2024年12月31日火曜日

新型機開発(3)

新型機開発の続きです。

(更新をさぼっていたので、まとめて書いていますが、結構大変)


今回は、量産試作1号機と2号機の記録です。


【量産試作1号機】

少しずつ機体製作に必要な治具を揃えながら治具そのものの修正(ものによっては作り変え)をしてきましたが、 量産を意識した試作機として製作した機体です。

この機体から従来機と同じようにコードネームと機体名を付与しました。(この辺りは、ワタクシの自己満足です)


 RG15 ZERO


なぜ、 ZERO(ゼロ)?

ワタクシもついに今年還暦を迎え、 人生の後半戦 (終盤戦?)に入ります。

このポイントを新たな出発点として捉えました。 Re-Boot (再起動)をゼロスタートともいうようです。

また、今回様々な制約を乗り越え、 過去の機体設計にこだわり続けることなく新しいチャレンジを組込んでいく機体として、 ゼロスタートします。

さらに、登場時に世界をあっと言わせた零戦のイメージも背景に借りた、ゼロファイターのような驚きも期待しています。

そういったコンセプトを込めて、 機体名を ZERO としました。

(名前負けせんように。。。)




で、量産試作1号機ですが、 主翼から「アゴ」 を外して、 今年から開けている上面のピンホールサイズをΦ1.5からΦ1に変更しました。 V尾翼はチルト角度を10°つけました。 さらに Tail Boom をさらに延長 (20+20mm) して発進時のばらつき、 グライド安定性を評価しました。

チルト角度は強すぎたようで、 ラダーを全く切らずに小さな旋回半径となりました。 一度自宅に戻ってV尾翼接着部をアセトンで緩めてチルト角度を8°程

度にしてまぁまぁの旋回半径となりました。(もうちょっとチルト角度は小さくても良いくらい)




上昇パターンの方は、バレルロールが消えて、ゆっくりとした緩いロールパターンが実現できました。 (ラダーは、ほんの少し切っている程度)

Boom の延長に関しては、発進から返りまで、 特に違和感等はありませんでした。 グライド安定性も向上したような気がします。 (ただし、 0→20mm延長の

時のような安定性向上度合い程ではない)

課題は機体全体質量です。 水平尾翼容積が大きくなるので最適重心も後ろにシフトするのですが、それでも機首錘を増やす必要があり、 全体質量は増えてし

まいます。 一方で重心位置の許容幅も拡大するので、最適重心位置よりも若干後ろ側設定でも問題なくグライドすることは確認できました。

来年の全日本決勝がドームであることを考えると、ここまでの安定性の追求は必要なのか考えさせられます。



【量産試作2号機】



翼型を安定して製作する方法を考えていたところ、もう一度翼型を見直したくなりました。 様々な論文で共通的に言われていることは低レイノルズ数の領域では、厚翼ではなく、 薄翼が良い、 薄翼で緩いキャンバーをつけた翼型が揚力係数/抵抗係数として最も良いことが記されています。 一方で、失速迎角が小さいことも記されています。

実際のところ、発進時には相当な荷重がかかることから、 薄翼ではねじり剛性が圧倒的に不足するので、そのまま採用することはできません。

どうしようかな?


剛性上の課題から厚みをもった翼になるのは仕方ないとして、 キャンバー (上面と下面の中心線) を低レイノルズ領域での最適形状に合わせたいと思い、 現在の翼型でこの中心線を調べました。結果、 凸型の滑らかな曲線には程遠く、「へ」の字型になっており、「へ」の頂点は翼弦の50%よりも後ろに位置していることに気づきました。

一般的な厚翼の場合は後縁まで厚みがあって緩やかに薄くなっているため、 「へ」の字にはなりませんが、紙飛行機の場合は後縁付近が紙一枚になっているので、翼弦方向への厚み変化の不連続性があり、どうしても「へ」の字型になってしまいます。


そこで、「へ」の字の左半分 (前側) の傾斜を緩やかにした翼型はどんなものになるのか検討してみました。

結果はびっくり。 下面側のふくらみは最小限に抑えた上で上面側は「スーパー前もっこり型」です。 下面側はできるだけ前の方で上面側に接近させ、緩やかに上面に接触させる必要があります。 なんとも奇妙な翼型です。 従来型に馴染んできたワタクシとしては違和感しかありません。

これが正しい考え方なのかどうかわかりませんが、ひとまずこの形に似せた翼型で量産試作2号機を作ってみました。 この翼型のおかげで、 主翼の左右接合部とか内翼と外翼の接合部 (主翼上面湾曲形状で接合される部分が合わなくなってしまいましたが、なんとかごまかして組み立て。

「スーパー前もっこり型」 が高速時の抵抗になり、獲得高度が低くなってしまうことを懸念していましたが、意外とスーッと上がっていく姿が確認できました。 獲得高度も量産試作1号機よりも若干高くなりました。 それでもトップフライヤーの高さに届いていないのは、ワタクシのランチフォーム (力の使い方)が悪いことなんでしょうね。

グライドも特に問題はありませんでしたが、想定ほど滑空速度が低下せず、沈下率も目を見張るような改善は見られませんでした。滑空速度は量産試作1号機のほうが遅く(ゆったり飛ぶ)感じました。


翼型データ、各号機とも中央部の翼型画像を撮っており、後で数値データ化しようと思っていたのですが、ウチのPCが「謎の再起動」を始め、立ち上がってみるとデータがごっそり消えてしまっていました。

「がっかり。。。」

ちょっと落ち込んでいます。いや、ものすごく落ち込んでいます。

すんげー腹立っています!


新型機開発(4)に続きます。

2024年12月30日月曜日

新型機開発(2)

新型機開発の続きです。


【主翼】

ワタクシの機体はなぜかスパイラル安定性が低く、乱れた気流やサーマルから弾かれた際、あるいは失投状態でスパイラルに入ってしまうことが多いです。

スパイラルモードに入る前の段階でえぐるような急旋回で姿勢回復させるトップフライヤーとの差が明確にあり、 「残念な結果」 に終わることが多かったです。

この原因と対策をいろいろ探り、悩んできました。 対処療法として重心を後ろ設定にしてみたり、 外翼の上反角を大きくしてみたり、迎角を大きくしてみたり。。。それでも大きな改善は見られませんでした。


これがずっと悩ませてきた大きな課題なのです。


原因はなんだろう?


色々な文献やネット情報 トップフライヤーのレポート等を漁りまくった結果、たどり着いた結論は「翼端失速」 でした。 (意外と平凡な原因)

定常滑空時の範囲では失速は起きていなさそうなのですが、 機軸方向から少しずれた角度から相対風が来た場合、 大きな上反角の影響で外翼の迎角が極端に大きくなり、上面の全剥離状態が発現するということです。下面側の正圧は引き続いて発生してはいるものの、剥離による抵抗成分が大きくなるためにドラッグラダーのような恰好でどんどん旋回半径を小さくする方向に機首を振ってしまうことが原因であると特定しました。


原因を特定したことで、 対策方法も明確になりました。

 (0) 外翼にねじり下げをつける

 (1) 外翼に後退角をつける

 (2) 後退角に沿って正確にキャンバーをつける


このうちねじり下げは外翼を内翼平面内で回転させて取り付けることで実現するのですが、 組立後の管理として必要な 「ゆがみチェック」 が実施しにくくなることから不採用とし、 外翼に後退角 (5°)をつけ、この後退角に沿った正確なキャンバーがつけられるような治具による成型としました。

さらに、翼型について、下面側キャンバーのふくらみを抑えつつ前縁のそぎ上げを維持するために小さな折筋を入れ、 「アゴ」 を形成ました。

 (後に発現した課題のために結果的に取りやめました)


この主翼は2作目。


光の筋で外翼のハイポイントラインに後退角がついているのがわかるかなぁ?



【試作1号機】


ボディは組立後の寸法的な課題解消のために型紙寸法を修正して作り直し、 主翼は上記試作翼を取り付けました。 50 投近く飛ばした結果、 懸念していたスパ

イラル安定性はかなり向上していることが確認でき、安心感も高まりました。 でも残念ながらスパイラルダイブを「ゼロ」 にすることが出来なかったため、さらなる改善が必要であると感じています。

多くの方のHLGはもっと大きな後退角をつけているので、そこら辺が継続検討項目であると考えています。

一方、発進直後からの速度低下が大きく、あまり獲得高度が高くない感じを受けました。現場で「アゴ」部分を少しずつ潰していくと改善されていく感じを受けたので、次の試作からは 「アゴ」 の形成を取りやめました。

滑空姿勢は、 モーメントアーム拡大 (20mm)の影響でピッチ安定性能が増大しました。




【V尾翼】

試作1号機の特徴 (機体固有の特徴) は旋回半径が大きく、ラダーを深く切る必要がありました。 その結果、 発進時のバレルロールが大きく、 これも獲得高度を上げられない原因と考えました。

そこで対策として、 V尾翼のスタブチルト設定を試みました。 V尾翼は単純水平尾翼と比較してスタブチルトによる旋回効果が小さいので、大胆にチルト角度を設定してラダーを切る量を減少させる「トライアル」 を実施することにしました。次の試作では、スタブチルトを10°に設定して組み立ててみることにします。

また、V尾翼の相対開き角度は136°(23年)、144° (24年)と変えてきており、144° では広げすぎによる垂直容積不足が感じられたので その中間として140°としました。

 (これ以上は、もう悩まない!)



試作0号機、1号機のテスト結果を踏まえて、次は量産を意識した試作機に反映します。

投稿その3に続きます。


2024年12月28日土曜日

新型機開発(1)

どうもブログの更新が滞ってしまいます。

このブログは自分の技術メモ (四苦八苦の足跡) 的なところもあるので、次シーズンに向けた試作状況を書き留めます。(何回かに分けて投稿します)


今まで、 機体格納ケースや製作用治具の制約から、思うところあっても改善着手が出来なかった部分が多くあります。

そのあたりを今回一気に見直すこととしました。この後波及する作業が膨大に膨らむことを考えると 「恐ろしい」 と思いながら。。。


【Tail Boom 試作】

特に "Tail Boom の剛性向上は最も着手したかった項目です。 モーメントアーム拡大につれて発進時の剛性不足が気になっていました。

ただし、この寸法を変えてしまうと、 機体格納ケース内のボディホルダとか、 ボディ自身の製作治具、 主翼とのインタフェース寸法変更、 着脱式タイマーな

ど 一気に互換性を失ってしまいますが、ひとまず着手。

基本 Boom 長さを延長しつつ、 断面二次モーメントを従来型の約 1.6倍にしました。 一応さらなる剛性向上も狙える構成にしています。


画像奥が従来のTail Boom。手前が試作品(3作目)。

ただし、 Tail Boom の質量は、重心合わせ後の機体全体質量に大きく影響するところでもあるため、質量増加は極力抑制したいところ。

なので、従来のBoom 以上に墜落時の折損は許容することとしました。 一方纏め作りが従来以上に簡単になるように工夫することで相殺することを狙いました。

合計7回の試作を繰り返して、ようやく形状が決まりました。

Boom の幅は従来型よりも約1.2mm 拡大、 長さは20mm延長しながらも、平均質量は従来よりも0.15g程度の増加に抑えました。




【ボディ試作】

構造は大きく変えず、 Tail Boom に合わせて幅広にしました。 バラストベイも幅広になったために、 デサマ投下用の錘もコンパクトに収まりました。

機種の側面積も小さくなったこともあり、主翼取付部は従来型よりも少し高くして、回復性能を向上させることを狙いました。


画像奥が従来のBody。手前が試作Body(2作目)。


【試作0号機】

取り急ぎ、 従来機の主翼を活用して胴体とのインタフェースを作り直した試作機をでっち上げ、Tail Boom 剛性効果を確認してみました。

モーメントアームが20mm拡大されたのですが、発進時の剛性低下は感じられず、 安心感はありました。

一方、比較対象として従来のTail Boom の 20mm延長版で発進状態を確認したところ、「力み」 具合によって上昇パターンがばらついてしまう傾向(従来からの悩み)が無視できない状況になることが確認できたので、試作Boom の剛性向上は安心感につながりました。

やはり墜落時は、従来同様にポッキリ折損が発生します。 ただ、 従来 Tail Boom では折損まで行かなくとも少し曲がってしまうことが良くあり、気が付かずに続投すると「あれっ?」 というグライドパターン変化がありましたが、 今回のTail Boom では曲がらずに気持ちよく 「ポッキリ」 折れるような破壊モード

なので、それはそれで 「注意すべき事項」 がひとつ減ったことになります。


(本来的には失投しなければ良い話なんですけどね。)


この機体は、巨大な旋回半径 (調整不良) でかなり遠方に行ったところで太陽光で見えなくなってしまい、田んぼのどこかで朽ち果てています。 40分くらい

かなり広い範囲を探し回ったのですが、見つけられませんでした。


そんなわけで、0号機の画像はありません。


投稿その2に続きます。