大変遅くなってしまいましたが、 ワタクシの備忘録も兼ねて、全日本選手権 (二宮杯) の振り返りを投稿します。
真面目に分析するのに時間がかかってしまいました。相変わらずの長文ですが、せっかくなので目を通してくださいね。
9月22、23日に全日本紙飛行機選手権 (二宮杯) 決勝が札幌のつどーむで開催されました。
ワタクシにとっては初めてのドーム開催競技です。4月に初めて長浜ドームで飛ばした経験をもとに、 ドーム競技で何が求められるのか分析し、その対応を考えてきました。
求められるもの、ワタクシにとって、それは3つをテーマとして捉えました。
・100%の投げ上げ成功率
・最高到達高度の向上
・沈下率の改善
【100% の投げ上げ成功率 】
SAL投法において、ワタクシは構えてからいろいろな注意事項を頭の中でチェックしています。
ただ、いざスタートすると、 最初の踏み出しから機体リリースまでかなり短時間なので、頭で考えていることよりも身体の動きの方が早く、 「幽体離脱」 的なリリースがちらほら発生していました。調子が良いときはあまり気にならないのですが、ちょっと工夫をしようとすると途端にこの現象が発生してしまいます。
そこで、一歩追加 (最初の踏み出しの一歩手前からスタート)することでリリースまでの時間を増やし、 十分な心の余裕を得ることで失敗確率を局限しました。
【最高到達高度の向上】
上昇時のへんちくりんな機体挙動を出来るだけ抑えて、素直に上げることが出来るよう工夫しました。「「言うは易し」で簡単なことではないのですが、 バレルロールを極力抑えることを目指しました。
後述する機体軽量化によってどちらかというと最高到達高度は下がる方向であるため、これの相殺が目標です。
【沈下率の改善】
沈下率が勝負を決めてしまうので、無理なき軽量化 (10%程度軽量化)はもちろんのこと、主翼上反角を抑え気味 (主翼下面の空気が横に逃げる成分を抑制) にしつつ、横安定のバランスを維持することを目指しました。
ただ、上反角抑制による滑空性能向上効果は1秒未満であり、ドームでないとわからないので、 本当のところは本番当日までお預け。(ドームでは1~2秒の性能差が勝敗を分けるという話もあり、1秒未満でも追及するモチベーションは自分に拍手!)
なので、ドームを目指したピーキーな設計はリスクが高いことから、屋内90点、 屋外90点程度のバランスで風の弱い早朝に特性確認を行ってきました。
上記3テーマ、 始めたころはどれも 「これ大丈夫なのか?」という感じでした。99%の成功率になったとしても、本番で1%が出てしまうかもしれないし、屋外で高度を評価する方法もないので、高くなったかどうかさっぱりわかりません。沈下率に至っては、 屋外では多少の風でも溺れてしまうので、ほとんど効果が感じられない。
とはいえ、「やることはやった」 との思い込みを武器に、本番に参戦!
1日目に調整と練習する時間を結構確保してもらえたので、普段の3倍程度投げることが出来ました。(R590は競技直前の10分練習のみで本番に臨みました。)
2日目は全身筋肉痛のスタートでしたが、 ドームに着くと、予定どおりアドレナリンがジャブジャブ出てきて筋肉痛は全く関係なし。
それにしても、今回優勝されたK明さんの投法はすさまじく、 本番が近づくにつれ、 最高到達高度が上がっていったように見えました。返りも無駄なく正確。
それに負けじと、 超アドレナリン投法をトライしたのですが、どうもワタクシにはその高さまで上げることは出来ません。
天井の梁と機体の位置関係を参考に見てみると1.5~2m弱の差があるようです。沈下率を66cm/sと仮定すると2~3秒の差になります。沈下率の改善をテーマにしてきましたが、 そもそもの効果が計算上1秒未満なので、沈下率でリカバリすることは難しそうです。
やはり高さ勝負。 しかしながら、そもそもリリース時の腕の回転速度で劣っているようです。ここに来て、お腹まわりの肉が邪魔に感じました。
(こうしている間にも、昨日のジンギスカンとこってりラーメワンがジワジワと内臓脂肪に化けて行っている。。。)
さて、本番! アドレナリン勝負です!
1投目が終わるとやはり3秒差。 予想どおりです。 見た目の高さも予想どおり。 このままジワジワ差がついちゃうのかなぁ。。。
といっても、もう作戦なし。
そして2投目。 投げは失敗なし。 定常滑空に入った機体はピクリとも動かずに静かに静かに滑空します。 神秘的な感じもします。ただ、ちょっと壁に近いかな。 多分大丈夫だと思うけど。。。
ドキドキしながら滑空を見つめていました。機体は壁面の曲線にギリギリ沿って旋回。 何とか回避できるかと思った瞬間、 「カーン!」。 最後の壁の柱に激突し、ハラハラと落ちてきました。
「おわた。。。」
2投目にして優勝争いから脱落。 この時のタイムが23秒なので、順位は相当下がりそう。
3投目以降はそれでも平常心を装って、 全力で競技を続けた結果、 2位までリカバリすることが出来ました。(ヨカッタ、ヨカッタ)
優勝者のK明さんの5投平均値は45秒。 私の2投目を除いたタラレバ平均値は43秒。 やはり1フライトあたり2秒の差がありました。
つまり、2投目の壁激突がなかったとしても、 敵わなかったということです。
完敗じゃぁぁぁ。 そして脱帽。
さて、今回の私の総括。 何が出来て何が出来なかったのか?
この分析には悩みました。 いや、悩み続けています。
【 100% の投げ上げ成功率】
これは達成
【最高到達高度の向上】
これは相対的に未達。 1.5~2m弱の差を詰めることが出来ませんでした。
【沈下率の改善】
ここが微妙。
前述のとおり、 高度差で2~3秒の差が生まれます。 平均の差が2秒であったことを考えると、 沈下率の改善効果は無かったと考えるのが妥当でしょう。
一方で、そもそもの効果が1秒未満 (0.5~0.6秒) だったので、平均の差が3秒は離れていなかったことから、想定どおりの効果があったようにも考えられます。
微妙すぎる。 この先どうしよう。。。
家に帰って考えていると、 ドームで比較チャレンジを忘れていたことに気が付きました。(今更ながら)
自分の屋外機体と比較してみたかった。 せっかく持って行ったのに。 すっかりくっきり忘れていた。。。
止む無く、チャット GPTと長時間会話を繰り返して、会話の精度を上げていくと、はやり上反角を抑えることは室内滑空において効果がありそうだとの結論になりました。(ただ、チャット君は上反角は5°以下が良いというやりすぎな考えを最後まで曲げなかった。。。)
屋外用と屋内用2種類を継続して育てていくべきか。。。
効果と作業量を考えると割に合わない感じもします。悩んじゃうな。。。
ってことで、11月の四日市ドームで再度確認したいと思いだしました。
まぁ、普通に考えると、チマチマした工夫と努力よりも、 獲得高度を上げることに専念した方が確実ですね。2m以上高度を上げるためには、5%弱の初速増加が必要。なんか、 出来そうな感じもしますが、最速150km/hのプロ野球投手が158km/hを出せるようになるのは簡単なもんじゃない、ということを考えると、 先行きは暗いかなぁ。
でも、根拠はないが出来そうな気もする。。。
来年に向けて、 妄想が広がります!
所感;
九州勢の上昇パターンはきれいでした。 ロールを使わず素直な上昇からの高度ロスのないスムーズな返り。さすがの 「薩摩返し」 でしたね。
やはり地域によって少しずつ特徴が出ていたところを感じられたのがとても有意義でした。少し参考にさせてもらいたいなぁ。
そして、 北海道勢のみなさん、 倶楽部原っぱのみなさん、 段取りからスムーズな進行まで、 本当にありがとうございました。
みなさまのおかげで、 たっぷり楽しむことができました。 そしてなかなか経験できないドームでのフライトを堪能することが出来ました。 感謝、感謝です。
そして、最後。
ドーム内の高い空域をピクリとも揺れずにゆったり滑空する紙飛行機の姿は、「天空に舞う妖精」 のように感じました。いくつもの妖精たちがドーム内上空で静かに遊んでいるようでした。
来年の機体は、この印象をもとにニックネームを付けよう!
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