2024年12月31日火曜日

新型機開発(3)

新型機開発の続きです。

(更新をさぼっていたので、まとめて書いていますが、結構大変)


今回は、量産試作1号機と2号機の記録です。


【量産試作1号機】

少しずつ機体製作に必要な治具を揃えながら治具そのものの修正(ものによっては作り変え)をしてきましたが、 量産を意識した試作機として製作した機体です。

この機体から従来機と同じようにコードネームと機体名を付与しました。(この辺りは、ワタクシの自己満足です)


 RG15 ZERO


なぜ、 ZERO(ゼロ)?

ワタクシもついに今年還暦を迎え、 人生の後半戦 (終盤戦?)に入ります。

このポイントを新たな出発点として捉えました。 Re-Boot (再起動)をゼロスタートともいうようです。

また、今回様々な制約を乗り越え、 過去の機体設計にこだわり続けることなく新しいチャレンジを組込んでいく機体として、 ゼロスタートします。

さらに、登場時に世界をあっと言わせた零戦のイメージも背景に借りた、ゼロファイターのような驚きも期待しています。

そういったコンセプトを込めて、 機体名を ZERO としました。

(名前負けせんように。。。)




で、量産試作1号機ですが、 主翼から「アゴ」 を外して、 今年から開けている上面のピンホールサイズをΦ1.5からΦ1に変更しました。 V尾翼はチルト角度を10°つけました。 さらに Tail Boom をさらに延長 (20+20mm) して発進時のばらつき、 グライド安定性を評価しました。

チルト角度は強すぎたようで、 ラダーを全く切らずに小さな旋回半径となりました。 一度自宅に戻ってV尾翼接着部をアセトンで緩めてチルト角度を8°程

度にしてまぁまぁの旋回半径となりました。(もうちょっとチルト角度は小さくても良いくらい)




上昇パターンの方は、バレルロールが消えて、ゆっくりとした緩いロールパターンが実現できました。 (ラダーは、ほんの少し切っている程度)

Boom の延長に関しては、発進から返りまで、 特に違和感等はありませんでした。 グライド安定性も向上したような気がします。 (ただし、 0→20mm延長の

時のような安定性向上度合い程ではない)

課題は機体全体質量です。 水平尾翼容積が大きくなるので最適重心も後ろにシフトするのですが、それでも機首錘を増やす必要があり、 全体質量は増えてし

まいます。 一方で重心位置の許容幅も拡大するので、最適重心位置よりも若干後ろ側設定でも問題なくグライドすることは確認できました。

来年の全日本決勝がドームであることを考えると、ここまでの安定性の追求は必要なのか考えさせられます。



【量産試作2号機】



翼型を安定して製作する方法を考えていたところ、もう一度翼型を見直したくなりました。 様々な論文で共通的に言われていることは低レイノルズ数の領域では、厚翼ではなく、 薄翼が良い、 薄翼で緩いキャンバーをつけた翼型が揚力係数/抵抗係数として最も良いことが記されています。 一方で、失速迎角が小さいことも記されています。

実際のところ、発進時には相当な荷重がかかることから、 薄翼ではねじり剛性が圧倒的に不足するので、そのまま採用することはできません。

どうしようかな?


剛性上の課題から厚みをもった翼になるのは仕方ないとして、 キャンバー (上面と下面の中心線) を低レイノルズ領域での最適形状に合わせたいと思い、 現在の翼型でこの中心線を調べました。結果、 凸型の滑らかな曲線には程遠く、「へ」の字型になっており、「へ」の頂点は翼弦の50%よりも後ろに位置していることに気づきました。

一般的な厚翼の場合は後縁まで厚みがあって緩やかに薄くなっているため、 「へ」の字にはなりませんが、紙飛行機の場合は後縁付近が紙一枚になっているので、翼弦方向への厚み変化の不連続性があり、どうしても「へ」の字型になってしまいます。


そこで、「へ」の字の左半分 (前側) の傾斜を緩やかにした翼型はどんなものになるのか検討してみました。

結果はびっくり。 下面側のふくらみは最小限に抑えた上で上面側は「スーパー前もっこり型」です。 下面側はできるだけ前の方で上面側に接近させ、緩やかに上面に接触させる必要があります。 なんとも奇妙な翼型です。 従来型に馴染んできたワタクシとしては違和感しかありません。

これが正しい考え方なのかどうかわかりませんが、ひとまずこの形に似せた翼型で量産試作2号機を作ってみました。 この翼型のおかげで、 主翼の左右接合部とか内翼と外翼の接合部 (主翼上面湾曲形状で接合される部分が合わなくなってしまいましたが、なんとかごまかして組み立て。

「スーパー前もっこり型」 が高速時の抵抗になり、獲得高度が低くなってしまうことを懸念していましたが、意外とスーッと上がっていく姿が確認できました。 獲得高度も量産試作1号機よりも若干高くなりました。 それでもトップフライヤーの高さに届いていないのは、ワタクシのランチフォーム (力の使い方)が悪いことなんでしょうね。

グライドも特に問題はありませんでしたが、想定ほど滑空速度が低下せず、沈下率も目を見張るような改善は見られませんでした。滑空速度は量産試作1号機のほうが遅く(ゆったり飛ぶ)感じました。


翼型データ、各号機とも中央部の翼型画像を撮っており、後で数値データ化しようと思っていたのですが、ウチのPCが「謎の再起動」を始め、立ち上がってみるとデータがごっそり消えてしまっていました。

「がっかり。。。」

ちょっと落ち込んでいます。いや、ものすごく落ち込んでいます。

すんげー腹立っています!


新型機開発(4)に続きます。

2024年12月30日月曜日

新型機開発(2)

新型機開発の続きです。


【主翼】

ワタクシの機体はなぜかスパイラル安定性が低く、乱れた気流やサーマルから弾かれた際、あるいは失投状態でスパイラルに入ってしまうことが多いです。

スパイラルモードに入る前の段階でえぐるような急旋回で姿勢回復させるトップフライヤーとの差が明確にあり、 「残念な結果」 に終わることが多かったです。

この原因と対策をいろいろ探り、悩んできました。 対処療法として重心を後ろ設定にしてみたり、 外翼の上反角を大きくしてみたり、迎角を大きくしてみたり。。。それでも大きな改善は見られませんでした。


これがずっと悩ませてきた大きな課題なのです。


原因はなんだろう?


色々な文献やネット情報 トップフライヤーのレポート等を漁りまくった結果、たどり着いた結論は「翼端失速」 でした。 (意外と平凡な原因)

定常滑空時の範囲では失速は起きていなさそうなのですが、 機軸方向から少しずれた角度から相対風が来た場合、 大きな上反角の影響で外翼の迎角が極端に大きくなり、上面の全剥離状態が発現するということです。下面側の正圧は引き続いて発生してはいるものの、剥離による抵抗成分が大きくなるためにドラッグラダーのような恰好でどんどん旋回半径を小さくする方向に機首を振ってしまうことが原因であると特定しました。


原因を特定したことで、 対策方法も明確になりました。

 (0) 外翼にねじり下げをつける

 (1) 外翼に後退角をつける

 (2) 後退角に沿って正確にキャンバーをつける


このうちねじり下げは外翼を内翼平面内で回転させて取り付けることで実現するのですが、 組立後の管理として必要な 「ゆがみチェック」 が実施しにくくなることから不採用とし、 外翼に後退角 (5°)をつけ、この後退角に沿った正確なキャンバーがつけられるような治具による成型としました。

さらに、翼型について、下面側キャンバーのふくらみを抑えつつ前縁のそぎ上げを維持するために小さな折筋を入れ、 「アゴ」 を形成ました。

 (後に発現した課題のために結果的に取りやめました)


この主翼は2作目。


光の筋で外翼のハイポイントラインに後退角がついているのがわかるかなぁ?



【試作1号機】


ボディは組立後の寸法的な課題解消のために型紙寸法を修正して作り直し、 主翼は上記試作翼を取り付けました。 50 投近く飛ばした結果、 懸念していたスパ

イラル安定性はかなり向上していることが確認でき、安心感も高まりました。 でも残念ながらスパイラルダイブを「ゼロ」 にすることが出来なかったため、さらなる改善が必要であると感じています。

多くの方のHLGはもっと大きな後退角をつけているので、そこら辺が継続検討項目であると考えています。

一方、発進直後からの速度低下が大きく、あまり獲得高度が高くない感じを受けました。現場で「アゴ」部分を少しずつ潰していくと改善されていく感じを受けたので、次の試作からは 「アゴ」 の形成を取りやめました。

滑空姿勢は、 モーメントアーム拡大 (20mm)の影響でピッチ安定性能が増大しました。




【V尾翼】

試作1号機の特徴 (機体固有の特徴) は旋回半径が大きく、ラダーを深く切る必要がありました。 その結果、 発進時のバレルロールが大きく、 これも獲得高度を上げられない原因と考えました。

そこで対策として、 V尾翼のスタブチルト設定を試みました。 V尾翼は単純水平尾翼と比較してスタブチルトによる旋回効果が小さいので、大胆にチルト角度を設定してラダーを切る量を減少させる「トライアル」 を実施することにしました。次の試作では、スタブチルトを10°に設定して組み立ててみることにします。

また、V尾翼の相対開き角度は136°(23年)、144° (24年)と変えてきており、144° では広げすぎによる垂直容積不足が感じられたので その中間として140°としました。

 (これ以上は、もう悩まない!)



試作0号機、1号機のテスト結果を踏まえて、次は量産を意識した試作機に反映します。

投稿その3に続きます。


2024年12月28日土曜日

新型機開発(1)

どうもブログの更新が滞ってしまいます。

このブログは自分の技術メモ (四苦八苦の足跡) 的なところもあるので、次シーズンに向けた試作状況を書き留めます。(何回かに分けて投稿します)


今まで、 機体格納ケースや製作用治具の制約から、思うところあっても改善着手が出来なかった部分が多くあります。

そのあたりを今回一気に見直すこととしました。この後波及する作業が膨大に膨らむことを考えると 「恐ろしい」 と思いながら。。。


【Tail Boom 試作】

特に "Tail Boom の剛性向上は最も着手したかった項目です。 モーメントアーム拡大につれて発進時の剛性不足が気になっていました。

ただし、この寸法を変えてしまうと、 機体格納ケース内のボディホルダとか、 ボディ自身の製作治具、 主翼とのインタフェース寸法変更、 着脱式タイマーな

ど 一気に互換性を失ってしまいますが、ひとまず着手。

基本 Boom 長さを延長しつつ、 断面二次モーメントを従来型の約 1.6倍にしました。 一応さらなる剛性向上も狙える構成にしています。


画像奥が従来のTail Boom。手前が試作品(3作目)。

ただし、 Tail Boom の質量は、重心合わせ後の機体全体質量に大きく影響するところでもあるため、質量増加は極力抑制したいところ。

なので、従来のBoom 以上に墜落時の折損は許容することとしました。 一方纏め作りが従来以上に簡単になるように工夫することで相殺することを狙いました。

合計7回の試作を繰り返して、ようやく形状が決まりました。

Boom の幅は従来型よりも約1.2mm 拡大、 長さは20mm延長しながらも、平均質量は従来よりも0.15g程度の増加に抑えました。




【ボディ試作】

構造は大きく変えず、 Tail Boom に合わせて幅広にしました。 バラストベイも幅広になったために、 デサマ投下用の錘もコンパクトに収まりました。

機種の側面積も小さくなったこともあり、主翼取付部は従来型よりも少し高くして、回復性能を向上させることを狙いました。


画像奥が従来のBody。手前が試作Body(2作目)。


【試作0号機】

取り急ぎ、 従来機の主翼を活用して胴体とのインタフェースを作り直した試作機をでっち上げ、Tail Boom 剛性効果を確認してみました。

モーメントアームが20mm拡大されたのですが、発進時の剛性低下は感じられず、 安心感はありました。

一方、比較対象として従来のTail Boom の 20mm延長版で発進状態を確認したところ、「力み」 具合によって上昇パターンがばらついてしまう傾向(従来からの悩み)が無視できない状況になることが確認できたので、試作Boom の剛性向上は安心感につながりました。

やはり墜落時は、従来同様にポッキリ折損が発生します。 ただ、 従来 Tail Boom では折損まで行かなくとも少し曲がってしまうことが良くあり、気が付かずに続投すると「あれっ?」 というグライドパターン変化がありましたが、 今回のTail Boom では曲がらずに気持ちよく 「ポッキリ」 折れるような破壊モード

なので、それはそれで 「注意すべき事項」 がひとつ減ったことになります。


(本来的には失投しなければ良い話なんですけどね。)


この機体は、巨大な旋回半径 (調整不良) でかなり遠方に行ったところで太陽光で見えなくなってしまい、田んぼのどこかで朽ち果てています。 40分くらい

かなり広い範囲を探し回ったのですが、見つけられませんでした。


そんなわけで、0号機の画像はありません。


投稿その2に続きます。





2024年12月15日日曜日

フライト記録会

 本当にひさしぶりのこうしんです。

きょうは、快晴無風(チョー寒いけど)。絶好のフライト日和です。田んぼにいつものメンバが集まりました。さっそくフライト記録会です。


1ラウンド目。

ワタクシは試作機で参加しました。試作内容は別途まとめて整理しますが6割の確認が完了したところです。

Y関さんは新型軽量機です。無風時のゆったりしたフライトは素晴らしかったです。K明さんは抜群の性能ですね。上昇も力強く、返りも安定しており、非常に高いところから見事な滑空を始めます。全く歯が立たず。。。


2ラウンド目。

だんだん空気も温まってきて、時折サーマルが発生する状況です。

K明さんは4MAX。まったく手が付けられません。ワタクシの試作機もそれなりに頑張ってくれましたけど、マダマダです。K明さんの機体にはどんな秘密が隠されているんだろう?


3ラウンド目。

時間も遅くなってきたけど、相変わらず風が弱いので、5投だけ実施しました。


今日はとても気持ちよく飛ばすことが出来ました。真っ青な空に白く輝く機体を見るのは気持ち良いものです。

それはそうとして、なんとか試作を完成させなくては。。。