新型機開発の続きです。
(更新をさぼっていたので、まとめて書いていますが、結構大変)
今回は、量産試作1号機と2号機の記録です。
【量産試作1号機】
少しずつ機体製作に必要な治具を揃えながら治具そのものの修正(ものによっては作り変え)をしてきましたが、 量産を意識した試作機として製作した機体です。
この機体から従来機と同じようにコードネームと機体名を付与しました。(この辺りは、ワタクシの自己満足です)
RG15 ZERO
なぜ、 ZERO(ゼロ)?
ワタクシもついに今年還暦を迎え、 人生の後半戦 (終盤戦?)に入ります。
このポイントを新たな出発点として捉えました。 Re-Boot (再起動)をゼロスタートともいうようです。
また、今回様々な制約を乗り越え、 過去の機体設計にこだわり続けることなく新しいチャレンジを組込んでいく機体として、 ゼロスタートします。
さらに、登場時に世界をあっと言わせた零戦のイメージも背景に借りた、ゼロファイターのような驚きも期待しています。
そういったコンセプトを込めて、 機体名を ZERO としました。
(名前負けせんように。。。)
で、量産試作1号機ですが、 主翼から「アゴ」 を外して、 今年から開けている上面のピンホールサイズをΦ1.5からΦ1に変更しました。 V尾翼はチルト角度を10°つけました。 さらに Tail Boom をさらに延長 (20+20mm) して発進時のばらつき、 グライド安定性を評価しました。
チルト角度は強すぎたようで、 ラダーを全く切らずに小さな旋回半径となりました。 一度自宅に戻ってV尾翼接着部をアセトンで緩めてチルト角度を8°程
度にしてまぁまぁの旋回半径となりました。(もうちょっとチルト角度は小さくても良いくらい)
上昇パターンの方は、バレルロールが消えて、ゆっくりとした緩いロールパターンが実現できました。 (ラダーは、ほんの少し切っている程度)
Boom の延長に関しては、発進から返りまで、 特に違和感等はありませんでした。 グライド安定性も向上したような気がします。 (ただし、 0→20mm延長の
時のような安定性向上度合い程ではない)
課題は機体全体質量です。 水平尾翼容積が大きくなるので最適重心も後ろにシフトするのですが、それでも機首錘を増やす必要があり、 全体質量は増えてし
まいます。 一方で重心位置の許容幅も拡大するので、最適重心位置よりも若干後ろ側設定でも問題なくグライドすることは確認できました。
来年の全日本決勝がドームであることを考えると、ここまでの安定性の追求は必要なのか考えさせられます。
【量産試作2号機】
翼型を安定して製作する方法を考えていたところ、もう一度翼型を見直したくなりました。 様々な論文で共通的に言われていることは低レイノルズ数の領域では、厚翼ではなく、 薄翼が良い、 薄翼で緩いキャンバーをつけた翼型が揚力係数/抵抗係数として最も良いことが記されています。 一方で、失速迎角が小さいことも記されています。
実際のところ、発進時には相当な荷重がかかることから、 薄翼ではねじり剛性が圧倒的に不足するので、そのまま採用することはできません。
どうしようかな?
剛性上の課題から厚みをもった翼になるのは仕方ないとして、 キャンバー (上面と下面の中心線) を低レイノルズ領域での最適形状に合わせたいと思い、 現在の翼型でこの中心線を調べました。結果、 凸型の滑らかな曲線には程遠く、「へ」の字型になっており、「へ」の頂点は翼弦の50%よりも後ろに位置していることに気づきました。
一般的な厚翼の場合は後縁まで厚みがあって緩やかに薄くなっているため、 「へ」の字にはなりませんが、紙飛行機の場合は後縁付近が紙一枚になっているので、翼弦方向への厚み変化の不連続性があり、どうしても「へ」の字型になってしまいます。
そこで、「へ」の字の左半分 (前側) の傾斜を緩やかにした翼型はどんなものになるのか検討してみました。
結果はびっくり。 下面側のふくらみは最小限に抑えた上で上面側は「スーパー前もっこり型」です。 下面側はできるだけ前の方で上面側に接近させ、緩やかに上面に接触させる必要があります。 なんとも奇妙な翼型です。 従来型に馴染んできたワタクシとしては違和感しかありません。
これが正しい考え方なのかどうかわかりませんが、ひとまずこの形に似せた翼型で量産試作2号機を作ってみました。 この翼型のおかげで、 主翼の左右接合部とか内翼と外翼の接合部 (主翼上面湾曲形状で接合される部分が合わなくなってしまいましたが、なんとかごまかして組み立て。
「スーパー前もっこり型」 が高速時の抵抗になり、獲得高度が低くなってしまうことを懸念していましたが、意外とスーッと上がっていく姿が確認できました。 獲得高度も量産試作1号機よりも若干高くなりました。 それでもトップフライヤーの高さに届いていないのは、ワタクシのランチフォーム (力の使い方)が悪いことなんでしょうね。
グライドも特に問題はありませんでしたが、想定ほど滑空速度が低下せず、沈下率も目を見張るような改善は見られませんでした。滑空速度は量産試作1号機のほうが遅く(ゆったり飛ぶ)感じました。
翼型データ、各号機とも中央部の翼型画像を撮っており、後で数値データ化しようと思っていたのですが、ウチのPCが「謎の再起動」を始め、立ち上がってみるとデータがごっそり消えてしまっていました。
「がっかり。。。」
ちょっと落ち込んでいます。いや、ものすごく落ち込んでいます。
すんげー腹立っています!
新型機開発(4)に続きます。
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